うつ病とは・・・
抑うつは感情状態のひとつで人間を成長させ洞察に向かわせる働きを持っていますので、そのような場合には必ずしも病的ではありません。
しかし抑うつが意欲や行動を阻害し、そのことがより一層抑うつ体験を深めるような悪循環を引き起こすとうつ病と呼ばれる状態になります。
憂うつな気分(抑うつ気分)が続き、意欲がなくなり(意欲低下)、考えや行動が緩慢(思考運動制止)になり、生き生きした感覚が失われて(生命感情の喪失)自分を責める気持ちになり(罪責感)死ぬことすら考える(希死念慮)ようになります。
睡眠も不規則となり暗いうちに目覚めてしまいます(早朝覚醒)。
うつ病状態では中枢神経系神経伝達物質の生理学的アンバランス(ノルアドレナリンやセロトニンの低下)が起きています。
それを誘発するのは、神経生理学的障害、職場環境などのストレス、親密な関係にある人たちとの葛藤、執着気質と呼ばれる完璧主義的な性格傾向などです。様々な要因が関係しています。
うつ病の治療には薬物療法と休養が必要です。
うつ状態を増悪させる悪循環を断ち切るためです。薬物療法では抗うつ薬と呼ばれる薬を処方します。
代表的なものがSSRI(パキシル、ルボックス、デプロメール、ジェイゾロフト)、SNRI(トレドミン)で、セロトニン、あるいはセロトニンとノルアドレナリンの作用を高める働きをします。
これらを服用しながら休養し心のエネルギーの回復を待ちます。そのためには薬物療法だけでは不十分です。
ストレス要因から距離を置かなければなりません。
ストレス対処の工夫だけでそれができないのであれば、休職や休学をすることも必要となります。
うつ病治療で留意しなければならないのは、抗うつ薬は全て即効性はなく効果が出るまでに少なくとも2週間は必要であり根気よく服用を続ける必要があること、抗うつ薬は精神を直接活性化させるのではなく心のエネルギーが回復するのをサポートする作用を持つということです。
ですから一時アメリカで喧伝されていた「ハッピードラッグ」という理解は正しくありません。
抗うつ薬の効果発現まで補助的に抗不安薬を併用するのが一般的です。症状に応じて感情調節薬を併用する場合もあります。
そんな患者さんに朗報をお送りします・・・まずは、下記の内容をご覧下さい!!

■うつ状態(抑うつ)とその特徴
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気分が落ち込む、憂うつだ。
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心身ともに疲れを感じる。
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悲しみから抜け出せない。
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思考がまとまらない、集中できない、判断ができない。
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イライラする、落ち着いていられない。
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自分がみじめに感じる、劣等感にとらわれる。
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頭が重い、体がだるい。
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目覚めが悪い、朝起きられない。
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寝つきが悪い、眠れない。
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本や新聞が読めない、読んでも理解できない。
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人と会いたくない、家に引きこもる、動くのがおっくう。
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さびしい、不安を感じる、疎外感を感じる、違和感を感じる。
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食欲がない、食べ物がおいしく感じない。
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つらい、絶望感を感じる、死にたいと思う。
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■うつ状態(抑うつ)の原因
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大切な人との死別や離別(「対象喪失」と言います。ペットも同様です)。
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人間関係の悩み。
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転職、転勤、昇進、人事異動、定年退職、リストラ、会社の倒産。
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| 4 |
学業や仕事の失敗、挫折。
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失恋、離婚、子供の独立。
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病気、過労、事故、更年期障害、妊娠、出産。
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引っ越し、新築。
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急激な生活環境の変化。
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惨事に巻き込まれる。犯罪の被害者となってしまう。
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生育歴や生活史からくる内面的ストレス。
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脳の障害や異常。内分泌器官の異常。
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パーキンソン病、C型肝炎、膠原病などの治療薬の副作用。

■ストレスを克服するための3要素
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1
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生体の持つ抗ストレス作用
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2
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合理的な思考
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3
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問題解決行動
たいていのうつ状態は、上の3つの要素がきちんと機能することによって、自然と治まっていきます。
また、そのようなうつ状態は、多くの人が経験し、克服していくということから、「健康的なうつ状態」(正常なうつ状態)と言い換えてもいいでしょう。
「抑うつ」の場合は、少し重い雰囲気が感じられますが、「うつ病」まではひどくないうつ状態ということで、重なる部分も多いと考えていいでしょう。
「健康的なうつ状態」(正常なうつ状態)の場合には、優れた本を読んで感動したり、周りの人に励まされたりすることでも、立ち直ることができます。
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■病的なうつ状態と不適応
しかし、この3つの要素がきちんと機能しない場合、うつ病などの「病的なうつ状態」が現れてきます。
そのときに置かれた生活環境に適応できない、という意味で、「不適応」とも呼ばれます。
病的なうつ状態で、うつ病まではひどくない、でも治療を受けた方がいい、というときによく使われる診断名が「抑うつ」です。
「抑うつ神経症」や「神経性抑うつ」などと、もう少し病名らしい呼び方の場合もあります。
「うつ」や「軽症うつ病」もほぼ同じ意味です。
「病的なうつ状態」は、長期間続きます。
よくなったと思っても、すぐにうつ状態(抑うつ)に戻ってしまいます。
本を集中して読むこともできませんし、周りの人に励まされると、よけいにつらくなってしまいます。
抗ストレス性のホルモン分泌は、個人差はありますが、ある程度の期間までは、きちんと機能します。
しかし、その期間を超えると、神経細胞の疲労や生体のさまざまな部位への障害などが発生してきて、正常に機能しなくなります。
つまり、長期にわたるストレスには、対処しきれなくなるわけです。
たとえば、次々とストレスとなるような出来事が起こったり、同時にいくつも重なったりした場合、すべてが片づくまで、相当な時間がかかります。
また、ストレスの総量も相当なものになります。
こんな場合に、「病的なうつ状態」に陥りやすくなります。

■認知のゆがみ
「合理的な思考」ができない場合も、ストレスにさらされ続けることになります。
たとえば、今持っている仕事だけでも手一杯というときに、さらに大きな仕事を引き受けてしまったり、どう見ても自分の能力では不可能だと思える仕事を引き受けてしまったりすると、強いストレス状態が続くことになってしまいます。
このようなことは、「合理的な思考」ができれば、防げるはずです。
ところが、「忙しくても仕事を頼まれたら断ってはいけない」とか、「断ったら相手に失礼だ」、「次の仕事がこなくなる」、「絶対にできないと思える仕事こそやりがいがある」といった非合理的な思考しかできないと、いつまでたっても、ストレス状態から抜け出せなくなります。
「非合理的な思考」は、「認知のゆがみ」とも呼ばれます。「不適応」を起こす大きな要因と言い換えてもいいでしょう。
認知というのは、物事に対する受け止め方や考え方のことです。
この認知がゆがんでいると、次から次へとストレスを抱え込むことになります。
カゼなどで体調が悪いとか、無理を続けて疲れがたまっている、というときに、まわりの人に迷惑がかかるから絶対休まない、などと考えるのも、「認知のゆがみ」です。
「認知のゆがみ」は、「病的なうつ状態」に陥ったり、うつ病などの病気になったり、まともな結果を残せなくなって、結局はまわりの人に迷惑をかけてしまうことにつながります。
さて、「認知のゆがみ」とは別の次元で、「不適応」を起こす場合があります。
生育歴や生活史からくる「内面的ストレス」(心因性ストレス)です。

■内面的ストレスと病的なうつ状態
たとえば、生育歴のなかで、親や保護者から愛情を得られなかった場合、人格形成がうまくできず、「不安障害」(神経症)や「人格障害」となることがあります。
ひどい場合には、虐待を受けて育った、ということもあります。こうなると、心の成長が妨げられ、「解離性障害」などの心の病気となることがあります。
生活史のなかでも、人の生死に関わるような大事件に遭遇した場合、「急性ストレス障害」(ATSD)や「外傷後ストレス障害」(PTSD)など、内面的ストレスに苦しめられることになります。
「不安障害」や「人格障害」、「解離性障害」、「ATSD」、「PTSD」などの場合、長期にわたって内面的ストレスが続くので、「病的なうつ状態」に陥りやすくなります。

■脳や内分泌器官の異常と病的なうつ状態
「統合失調症」や「躁うつ病」などの遺伝的な脳の異常(「内因性」)、「痴呆」、「脳血管障害」、「事故などの外傷」による脳の障害(「器質性」)など、正常な精神活動を行えない場合にも、「病的なうつ状態」に陥りやすくなります。
また、体内にあるさまざまな「内分泌器官の異常」でも、ホルモンバランスが崩れることにより、「病的なうつ状態」が起こりやすくなります。
脳の異常や障害、「内分泌器官の異常」の場合でも、ほかのストレスと重なることで、より「病的なうつ状態」に陥りやすくなります。
最後に、「問題解決行動」について、ご説明しましょう。
「問題解決行動」というのは、要するにストレスを終わらせるための行動のことです。
たとえば、病気などの体調不良は、身体的ストレスとなります。
このようなときに、病院に行って適切な治療を受けることは、もっとも基本的な問題解決行動となります。
ところが、「忙しすぎて病院に行けない」となると、「問題解決行動」ができずに、ストレス状態が続くことになってしまいます。
この「忙しすぎて病院に行けない」というのも、「認知のゆがみ」ですし、「非合理的な思考」です。病気が悪化して動けなくなってしまえば、元も子もありません。
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なんとか一人でも多くの方を救ってあげたいと思います。
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